鍵

今の世の中は「鍵」でいっぱいだ。
マンションにお住いの方は家に入るのに二度鍵を開けなければならない方が多いと思う。
エントランスのオートロックを開け、自宅玄関の鍵を開けて初めて家に入ることができる。
その玄関の鍵もチェーンなどで二重になっている。
自動車、テーマパークの入り口、電車の改札、これも枚挙にいとまがなさそうだ。
携帯電話やスマホも顔、指紋、パスワードなどの鍵を開けなければ使えないように設定している人がほとんどだ。
(そのうち家の鍵も顔認証、虹彩認証などが取り入れられ、鍵を使わずに「錠」を開けるシステムが主流になるかもしれない)

江戸時代の日本は鍵がほとんど使われていなかったそうだ。民家はもちろん、旅館の部屋などにも鍵がない。
当時日本に来た外国人が、貴重品を入れておくための金庫がないか女中に尋ねたらそんなものはないと言う。仕方なく女中は箱のようなものを用意し外国人の客に貸し出した。外国人の客は貴重品をその中に入れ一週間ほどの遠出をし、帰ってみると貴重品がちゃんと元の場所にあったので驚いたそうだ。
当時の江戸は泥棒などの犯罪が非常に少なく、市中の牢屋が10年ほど使用されなかった記録もあるらしい。

これはどちらの方が人間として進化していると言えるだろうか。

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